<<整枝・剪定>> 強木性樹
   
  ◆はじめに
  整枝剪定の基本原則は,
1.どの枝にも日光がよく当たるようにすること。
2.作業をしやすくすること。
3.どの枝にも薬剤がよくかかるようにすること。の以上3つである。
まず,園の状態を観察し受光態勢が悪く着色がよくない場所はなかったか,薬剤の到達が悪かった部分はなかったか,問題をはっきりさせてから剪定に取りかかる。
   
  □ 目標とする樹形に導く手段
  図を中心に解説します。
>>図1幼木期(5年生頃まで)
>>図2若木(6〜10年生頃)から成木期(10〜20年生)
樹形は変則主幹形とする。主枝候補枝を選び,育てるとともに最終的に4本に絞り込み,4本主枝を確立する。最上位の主枝候補枝より上は心枝となるので小さく保つ。最上位の主枝候補の太さが心枝を上回るようになったら(10〜15年生頃)心枝を切除する。最上位の主枝は第2主枝として最後まで残る。
 
   
  □ 図3成木後期(20年生頃以降)
  2本主枝にそれぞれ2本の亜主枝を確立し,大きな4つの結実部位で構成させる改心形とする。樹形はこの後も変化するが基本的な骨格枝の配置は変わらない。4本主枝から2本主枝への誘導については図5を参照。
 
   
  □ 図4主幹候補枝の配置と考え方
  最上段のNo8と,その対角になるNo4が最後まで残る2本主枝候補である。必ずしも図に示すような部位に望ましい枝があるとは限らないが,幼木〜若木の間はスプレッダーや誘引による枝の角度,方向の矯正が必須作業である。また主枝候補枝は主軸を明確に,できるだけまっすぐに養成し,先端の発育枝には先刈りを加えて強めに維持する。
 
 
  □ 図5 4本主枝から2本主枝・4本亜主枝への誘導
  4本主枝は,亜主枝の剪定、育成とともに徐々に2本に整理する。陶汰する主枝は,主幹の側から徐々に側枝を切除し,結実部を樹冠の外側に「追い出す」。図中の4では主幹延長枝もだいぶ「追い出し」がかった状態となっている。
 
 
   
  □ 剪定作業の実際
  剪定は、大枝→中枝→小枝の順に進める。
   
  □ 図6配枝の基本
  1.基本的に基部にあまり大きな枝をおかない。
  2.主軸をはっきりさせる。主軸を負かすような枝は置かない。
  3.主軸の周りの枝は上下に交互に配置し,枝に厚みを持たせる。主軸の真上と真下に枝を置かない。
 
   
  □ 図7枝の切り方:「切り返し」と「間引き」
  基本的な事柄であるが,樹勢が強い枝を弱めたい場合は「間引き」と主体に,逆に樹勢が弱い枝を強めたい場合は「切り返し」を主体に行う。主軸の途中で切除する「切り返し」は「間引き」に比べて樹に対する刺激が強い。
 
   
  □ 図8大枝の整理
  まず園全体を眺めて,混んでいる場所がないか確認し大枝の整理から始める。隣接樹と1.0m程度以上の間隔が開くよう,必要に応じて大枝の間引きを行う(左図の点線は間引かれる大枝)。この場合主枝や亜主枝を一度に切り落とさず,追い出し剪定などにより何年かなけて段階的に行う方が良い。
 
  □ 図9中枝(主枝、亜主枝上の側枝)の整理1
  図9中枝(主枝、亜主枝上の側枝)の整理1
 

   
  □ 図10中枝の整理2
  共枝は内側が交差しやすく,いずれはげ上がりやすい。また主軸が不明確となり,剪定を分かり難くする。どりらか一方を間引くのが基本。
 
   
  □ 図11中枝の整理3
  平行枝の整理。やはり,枝の内側が混みやすい。どちらか一方を切除する。
 
   
  □ 図12中枝(主枝、亜主枝上の側枝)の整理4
  重なり枝は下の枝に光が入らないため,果実品質や花芽分化の不良とになる。また薬剤の到達を妨げる。これも,どちらか一方を切除するのが基本である。下の枝が重要な枝である場合は,上の枝を迷わず切除する。
 
   
  □ 図13強樹勢樹の剪定
  主軸を負かすような強い枝を中心に間引きを行う。光の導入を妨げない程度にできるだけ枝を多めに残し,花芽の着生を促して樹勢を落ち着かせる。
 
   
  □ 図14弱樹勢樹の剪定
  切り返しを主体とし,発育枝の発生を促し樹勢回復をはかる。